ブルースのはっきりとした誕生はいつか？はっきりとした定義は無い。
しかし、米国深南部でアフリカ系アメリカ人の間から、１９世紀後半頃に黒人霊歌、フィールドハラー（労働歌）などから発展してきたものと思われる。

幸い古くからブルースを地域別に分ける試みがなされ、それに加え時代を追って登場した革新者とその追随者もいくつかのスタイルに分類されてきた。それらは、後継者が無く途絶えてしまったもの、形を変えて今に至るものもある。

しかし、この１００年の歴史を見れば大きな断絶といえば第二次世界大戦 以上のものは無かったとわかる。戦前と戦後に分けてここではギタリスト 、ギターヴォーカルに光をあてて考察したいと思う。

１９０３年、ブルースの父と言われるW.C.ハンディがミシシッピ州外
ワイラー駅近くで、黒人ギタリストがギターにナイフをスライドさせながら、それまでに聴いたことの ない音楽に遭遇。この後、彼によってブルースは広く知られることとなる。

戦前のアメリカにおいてブルースは米国深南部からセントルイス、シカゴ 、ニューヨークなどへ北上し各地でスタイルを変えながら発展して行く。

ブルースの起源として最重要地域である「ミシシッピ・デルタ」 や「テキサス」などのアメリカ深南部と、それに続く「メンフィス」、 「セントルイス」、「シカゴ」、「デトロイト」、「ニューヨーク」 と北上していく位置関係を簡単な地図で表したので参考にして戴きたい。

では、ブルースの生い立ちをみていこう。